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2007/12/01

コーヒー実習講師
 下村 公孝 先生 vol.1

Q.先生がコーヒーの道へ進むきっかけとなったのは何だったのですか?

 私は大学時代油絵を専攻していて、その時はずっと絵だけをしていたのですが、3年生の時にイタリアに旅行に行き、向こうで興味を持ってこういう仕事に入りました。ちょうどワールドコーヒーの豆売りの店が家の近くで、時々豆を買いに行っていたのですが、その時に誘っていただいて、今の店に入りました。大学4年生の時からアルバイトをはじめ、それからずっとその店で働いています。

Q.イタリア旅行がきっかけという事ですが、イタリアのエスプレッソを飲んでコーヒーに惹かれたのですか?

 最初はコーヒーだけではなく、ああいうイタリアのバールみたいに、気軽に立ち寄れて、パッと飲んでパッと出て行けるような、生活に密着しているものに惹かれて、ああいうのをやってみたいなというのがきっかけでした。
絵というのは、作った人と見てくれる人との距離がありすぎたので、もっと身近で日常的なものづくりにあこがれていましたから、余計に自分の思いとかみ合って刺激になりました。その場で感動を見ることができるというのに魅力を感じたんですね。
 ですから、最初はカフェ業の方に興味がを持ってやっていたのですが、次第にコーヒーのほうに興味が移りました。

Q.先生はご自身で器具もたくさん購入されていますが、それも興味を持ち始めてから揃えられたのですか?

 そうですね、そこからガンガン勉強のために購入していきました。
 こういう業界に入ったのが、大学4年生の時で、人より遅いという思いがありましたので、人より努力しないといけないと思いました。ですから、常に人より努力して、周りに流されずに自分のペースでやっていきました。
 もちろんお店で全部できるわけではないので、プラスアルファのことを自分でやっていかないといけません。それまでやっていた人に追いついて、追い越そうと思ったら、勤務時間以外勉強を使ってやらないとなかなか。
 上手い人ほどマシーンを使える時間が長かったので、誰よりも上手くなって、誰よりもコーヒーに関して詳しくなれば、いけるかなと思って、ガンガン勉強しました。物を買ったり、本を買ったりして。マシーンは上手い人が使う。それなら自分が一番使いたいと思いました。

Q.お店に入られた当初は、コーヒーはあまりさわらせてもらえなかったのですか?

 私の場合は、いつもラストまでいたのですが、ラストまで入れる人はあまりいなくて、できるようになってもらわないと困るということでやらせてもらってはいましたが、忙しい時間帯などはやはりできる人がやっていました。

Q.練習というのはいつされていたのですか?

 休憩時間に練習したり、自分が飲むものを練習したり、機会があればどんどんさわらせてもらっていました。やっぱり回数こなさないとうまくならないので。
 私が入った当初は、まだ店がオープンして一年半くらいしかたっていなかったので、みんなそれほどうまくはありませんでした。教える側もそんなに上手くはなくて。もちろん自分よりはうまいですけど、結局自分でいろんなところに行ったり、セミナー受けに行ったり、上手い人がやっているのを見て、話を聞いて、勉強していきました。今ほど言葉できれいに説明できる人がいなかったので、大体こんな感じですよとか、こうすればこうなるんですよとか、大まかな説明でしかありませんでしたから、結局は自分でどれだけ勉強するかなんですよね。

Q.どのくらいで自分が思うようなデザインカプチーノが作れるようになりましたか?

 本当に今納得ができているかといわれたら、常に勉強中ですけど、もともと絵が描ける分、カプチーノに絵を描くことは人より上手くできました。ハートやリーフに関しては、半年くらいたってから、ある程度できるかなって感じでしたけど、今と比べるとそんなにきれいな形じゃなかったと思います。当時のものが残っていないので比べることはできないですが、今ほど安定もしていなかったですから、今と比べると相当下手だったのだろうなとは思います。

Q.先生は今年の一月にバリスタの大会に出場されていますが、そのきっかけは何だったのですか?

 興味です。
 申込みが始まってから出ようと決めたので、本当に勢いでした。大会会場は大阪と東京とがあったのですが、大阪の方が定員になるのが早くて、申し込んだ時は東京しか空いていませんでした。でも今出なかったら出ないだろうなと思って、東京会場でも申し込むことにしました。
 周りのみんなも、大会に興味のあるようなことは話すのですが、誰も実際に出ようとはしなかったので、それなら一回出てみようかなと思いました。それで他の人も興味を持って、盛り上がる、いいきっかけとなればと思ったので。
 こういう業界は同業者、横の交流があまりなくて、ちょっとでも外に出る機会が欲しかったというのもあります。

Q.出場されてみていかがでしたか?

 楽しかったですよ。
 はじめてだったし、3番目だったので、緊張して震えるままに終わりましたけど、他の人の競技を見ることもできたし、実際決勝まで行った人も同じ日だったので、本当に勉強になりました。

Q.大会には何人くらいの方が出られるのですか?

 大阪と東京合わせて、140人くらいで、一日に24人ずつ行いますので、合計6日間かかります。
 1人当たり、準備10分、競技10分、片付け10分
 マシーンは2台用意してあって、片方で競技をしている間、片方は準備をして、うまく交互につなぎの時間がないようにはしていましたが、そんなにうまくまわるわけではないので、最後の1人になると夜の7時、8時頃になっていました。午前中がほとんど、練習時間などに当てられるので、競技がはじまるのが昼の1時頃でしたから。

Q.大会で使う豆は自分で用意するのですか?

 はい。マシーンとミル以外は全て持ち込みです。ですから、カップやピッチャーなども自分で用意します。

Q.大会の10分というのはどういう形なのですか?

 本当にお店でエスプレッソ・カプチーノを提供するという形になります。接客ですね。ですから、作りながら、自分の作っているものや豆、自分の思いをアピールしながら競技をします。震えていたら最悪ですよね。

Q.来年の一月の大会にも出場されるのですか?

 個人的に忙しくなるので、来年は出ないですが、また挑戦したいです。

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